グラスウールの正しい知識
グラスウールは断熱性能が悪い これはウソ! ●断熱材の性能を比較する場合は熱抵抗値を比べる 材料の厚みをふまえた断熱性能は熱抵抗値(R)で表されますので、断熱材の性能を見る場合には熱伝導率(λ)ではなく熱抵抗値(R)を用いて比較する必要があります。熱抵抗値(R)は熱の伝えにくさを表す数値で、数値が大きいほど熱を伝えにくく、断熱性能に優れた材料であるということが言えます。 熱抵抗値(R)算出式 熱抵抗値(㎡・K/W)=厚み(m)÷熱伝導率W/(m・K) 各種断熱材の熱抵抗値 グラスウール10K50mm厚 1.0 (㎡・K/W) グラスウール10K100mm厚 2.0 (㎡・K/W) グラスウール16K100mm厚 2.2 (㎡・K/W) 高性能グラスウール16K100mm厚 2.6 (㎡・K/W) 高性能グラスウール16K100mm厚 2.8 (㎡・K/W) ロックウール100mm厚 2.6 (㎡・K/W) 押出発泡ポリスチレンフォーム(2種)50mm 1.5 (㎡・K/W) 押出発泡ポリスチレンフォーム(3種)50mm 1.8 (㎡・K/W) 硬質ウレタンフォーム50mm 1.9 (㎡・K/W) グラスウールは水に弱く、湿気を吸うので結露の原因になる これはウソ! ●グラスウールは吸水性があるの? グラスウールは吸水性があると言われることがよくありますが、これは誤解でグラスウールの繊維自体には吸水性はありません。グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材は、繊維と繊維の間に空気が含まれていますので、一時的に保水してしまうことがあるため、誤解を受けているようです。また、保水しても短時間で乾燥してしまいますので適切な処置をとれば全く問題になるようなことはありません。 ●結露発生の原因は断熱材ではない 結露が発生する最大の原因は「断熱性能不足」または「誤った断熱施工」にあります。結露には「表面結露」と「内部結露」という2つの種類があり、前者が「断熱性能不足」に起因する現象、後者が「誤った断熱施工」に起因する現象となります。 グラスウールは発がん性があり、シックハウスの原因になるなど人体に有害である これはウソ! ●グラスウールはアスベストとは異なる アスベスト(石綿)における発ガン性など人体への影響が取り上げられ、グラスウールも同じ繊維状物質であることから同様な影響があるのではないかと誤解を受けた時期がありました。アスベストは天然の無機質結晶体繊維で霜柱状に自然に晶出したものであり、1ミクロン以下の極めて細い繊維の束です。アスベストは壊れると長く細い繊維に分かれ、容易に肺胞にまで達してしまい、珪肺病を誘発させるため有害物質とされています。一方、グラスウールは人工的に製造された非結晶体繊維であり、折れても繊維の太さが変わらないので肺にまで到達せず、ほこりと同様に鼻や気管支で除去され体外に排出されてしまいます。 ●グラスウールはホルムアルデヒドを含んでいる? グラスウールは、ガラス繊維の接着剤として微量の熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)を使用しています。その樹脂の原料として少量のホルムアルデヒドが使用されている関係でシックハウスの原因になるのではないかという誤解を受けてきました。 しかしながら、反応が終了したフェノール樹脂自体にはホルムアルデヒド単体としては存在せず、未反応分として残った場合でも製造工程におけるオーブンでの熱硬化中に大半は除去されてしまいますので室内空気汚染による健康上の問題はありません。]]>